PHILOSOPHY

商品開発のこだわり | 中尾 妙

「ナースをもっと輝かせたい」
―看護師時代の経験を活かしたユニフォーム企画

商品開発のこだわり | 中尾 妙
PROFILE
中尾 妙

クラシコ株式会社
商品企画 中尾 妙
(なかお たえ)

最初は大学病院の看護師として社会人の一歩を踏み出す。その後、縁があってファッション雑誌の制作に従事、パリコレなどの取材から「かっこいいもの、美しいものは人を感動させる」という得難い経験をする。クラシコとの出会いは「かっこいい白衣を作っている会社がある」という伴侶の声に興味をもったから。クラシコスタッフと話し合いを重ねるなかで、ここなら自身の看護師経験、雑誌での感動をリアルな物に昇華できると確信し参加に至る。

最初は大学病院の看護師として社会人の一歩を踏み出す。その後、縁があってファッション雑誌の制作に従事、パリコレなどの取材から「かっこいいもの、美しいものは人を感動させる」という得難い経験をする。クラシコとの出会いは「かっこいい白衣を作っている会社がある」という伴侶の声に興味をもったから。クラシコスタッフと話し合いを重ねるなかで、ここなら自身の看護師経験、雑誌での感動をリアルな物に昇華できると確信し参加に至る。

INTERVIEW
ナースウェアやレディースのドクター白衣、医師のシューズなどのデザインのほか、素材開発なども担当する商品部の中尾。元看護師で、ファッション誌やWeb制作、訪問看護センターでの管理職などに携わっていた多彩な経歴の持ち主です。さまざまな業務で得た知見がどのように商品企画に活かされているか、クラシコでのものづくりにかける想いを聞きました。
  • ナースとファッション誌の経験を活かせるクラシコ
    -いろいろな仕事を経験されて、クラシコに入社されたようですね
    社会人のスタートは大学病院の小児科の看護師でした。母が看護師だったので、私も中学生のころから「ナースになる!」 と決めていたのです。働きだしてから感じたことは、すごくかっこいい事、正しい仕事だということです。でも、それゆえに働く環境へのギャップや疑問を感じました。当時は仕事する環境としては決して良いとは言えないし、白衣も可愛いものが選べませんでした。「看護師ははぜ、キャビンアテンダントさんのような憧れの職業になれないんだろう?」と疑問を抱いていたのです。

    小児科ではお子さんの検査や手術のときに、これからどんなことをするのかを絵本を使って説明することもあったのですが、その子の発達段階にフィットした素敵な絵本があったらいいのになと、本の編集にも興味を持つようになりました。そんなとき、たまたまご縁があってファッション雑誌から声がかかって、やってみることにしました。パリコレの取材も行い「かっこいいものや本当に美しいものは、人を感動させる」ということを学びました。

    その後、訪問看護ステーションを作ろうと思い至って、まずは修行のために既存のステーションで3年ぐらい働きました。仕事は素敵で素晴らしいのですが、時代は変わっても周りの環境は看護師時代と同じ、カルテも紙で、身につけるものはコスト重視。見栄えは二の次で、変化が生まれそうな兆しを感じられませんでした。

    そんな時ですね、クラシコに出会ったのは。夫が「こんなかっこいい白衣を作っているとこがあるんだね。君がやりたいのはこんな仕事では?」と教えてくれたのです。初めは、訪問看護ステーションの仕事をやりながら、クラシコにも協力するという働き方をしていましたが、ルームウェアで有名な「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」とコラボしたナース服ブランド「ジェラートピケ&クラシコ」のサンプルを見て「ああ、こんなユニフォームを着て働きたかったな。ここだったら面白いことができる」と素直に思い、正式にクラシコでの仕事を始めました。
    商品開発のこだわり | 中尾 妙
  • パリコレでの感動をメディカル分野にも届けたい
    -今なされている商品企画では、どんなお仕事をされていますか?
    商品を作る起点になるところから、できあがるまでを担当します。現在販売が進んでいるナースウェアなら、お客様の声を毎週見ながら反響を確認し、もちろん売り上げといった数字も見ながら、今市場では何が、どういうところが本当に求められているのかを分析します。そしてトレンドです。ファッションのトレンドもそうだし、ナースウェア業界の中でも、今求められている素材はどんなものかといった変化をチェックしています。

    それらのインプット、情報を知った上で、「ジェラートピケ&クラシコ」に関しては、ジェラート ピケを扱う株式会社マッシュスタイルラボの担当者様とミーティングを行います。そこで私たちの希望とブランドの世界をすりあわせていきます。ユニフォームを病院様にお届けするために、物性をどういうふうにするか、看護師さんが求める機能、必要な機能は何かというところを考え、デザイン面では病院という現場になじむようにバランスを取っていくという立ち位置ですね。

  • -クラシコさんの文化と、これまでの中尾さんの経験がうまく生かされている部分は何かございますか
    クラシコには、機能性や工業洗濯耐久性が強く求められるメディカル業界の中において、私が当時パリコレで感じた美しいもの、気持ちの良いものは人を感動させることができるという信念があります。白衣を含めユニフォーム専用の生地は、種類がたくさんあるのですが、一般的には着心地の良さと、素材の強さはトレードオフになってしまいます。しかし、私たちはそのどちらも諦めないために常に新しい開発に挑戦しています。クラシコでは着心地の良さを優先し、一般のファッション向け素材から調達する場合が多いのです。

    ところが、一般のファッション向け素材にはユニフォームが求める耐久性がない。「この素材ならユニフォームでも耐えられるのでは」というクラシコの知見を活かして素材を採用し、メディカルユニフォーム向けの洗濯試験を繰り返しながら、糸や生地メーカーさんと改良をしていきます。

    着心地と耐久性という、相反する要件を追い求めながら、しっかりと形にできる部分がクラシコの強みで、どこにも真似できないんじゃないかなっていう自負があります。
    商品開発のこだわり | 中尾 妙
  • 看護師さんのモチベーションが高まる、もっとかわいいナースウェアを作りたい
    -もともと看護師でありファッション関係のクリエイティブもやられていて、これらの経験が商品企画に活かされているのでしょうか?
    ジェラートピケ&クラシコのプロジェクトでは、ジェラート ピケらしさをどこまで医療現場で表現できるというところは、これまでの経験を生かしながら、とてもこだわっています。医療現場としては、あまりたくさん装飾を付けたくない、またシンプルすぎてポケットがないのも不可です。制約がある中でもブランドの世界観を表現するために、色や刺繍、プリントの柄、シルエットにもこだわっています。

    デザイナーやパタンナーとも話しながら、いろいろな案を皆で出して、よりよいユニフォームを目指していくのです。「かわいいけれど汚れがつきやすい」「ポケットにペンを挿しても倒れずにすぐ使えるか」などさまざまな工夫をします。見た目や耐久性も大事ですが、機能面も忘れてはいけません。
    商品開発のこだわり | 中尾 妙
  • -ご利用のお客様からどのような反応を得ていますか?
    ジェラート ピケ&クラシコを着た看護師さんから「患者さんから『(ナースウェアが)かわいいね』って言われました」と、患者さんと新たなコミュニケーションが生まれたという声を聞きました。また、SNS で「ジェラート ピケのユニフォーム届きました!」と写真を投稿してくださる方に対し、「全部これになればいいのに」といったコメントを読むと、つくってよかった!と嬉しく思います。

    白衣やユニフォームは、1日8時間、夜勤があると交代制でも16時間も着ます。普段の服よりも長く着るわけで、そのために女性でも男性でも、美しくありたい、綺麗でいたい、かっこよくいたいという本能的な気持ちを、二の次にしなくて済むようにしたいです。

    以前アンケートをしたときに「ユニフォームで働きたいと思う」「働くモチベーション上がる」というご意見が7〜8割ありました。みんな他の選択肢があることを知らないから、今のユニフォームを着ているだけではないでしょうか。望むものがあれば、それを選びたいという気持ちは、あると思います。


  • -今後、商品企画において、医療機関の方に対して何か貢献をしていきたい点はありますか
    もっと選べる楽しさを提供したいです。ほかのブランドさんとのコラボレーションやクラシコオリジナルブランドの展開も考えていきたいです。

    またクラシコでは、SDGs(Sustainable Development Goals。持続可能な開発目標)を考慮して環境負荷を考慮した商品も作っていきたいと考えています。病院向けのユニフォームは統一の規格で4年間使うものですし、定期的に廃棄処分されるので、実はリサイクルしやすいフォーマットです。この仕組み作りを、他の業者さんと一緒にやっていきたいと検討しています。
    商品開発のこだわり | 中尾 妙
  • -お母様やご自身も看護師の仕事をされた上で、今のクラシコの仕事をどう感じていらっしゃいますか
    看護師時代、人間について勉強させていただきました。看護師の皆さんのことは本当に尊敬していますし、母に対してもそう思っています。それで、自分の中に医療に携わる人に恩返ししたい気持ちを抱いていました。私が今いるこの場所は、直接的には医療に関われないけれど、恩返ししたいという願いは叶っています。

    そのうえで、個人的にはもっとかわいいナースウェアを作りたいと思っています。そして、売れる商品、ヒット商品を作りたいです。ヒットするということは、多くの医療従事者さんが本当に求めているというものですから。
他の記事を読む

お問い合わせ

電話でのお問い合わせ(導入相談窓口)

0120-970-049

受付:平日の10:00~18:00

メールでのお問い合わせ

休日、夜間のお問い合わせへのご対応につきましては、翌営業日に順次ご対応します。

PC

オンライン相談も
受付中

導入コンサルタントが
ご要望に沿ったプランをご提案。
お気軽にお問い合わせください。
詳細・予約はこちら