PHILOSOPHY
商品開発のこだわり | 生田 雅子/中山 正善
入念な検品の指示書作りや、適切な工場の選定が、クラシコの高い品質を支える

PROFILE

クラシコ株式会社
パタンナー 生田 雅子
(いくた まさこ)
大学在籍時からパタンナーを目指し、百貨店系大手アパレルブランド、OEM、ドメスティックブランド、デザイナーズブランドなど、それぞれ特色や異なる視点を持つ多様なアパレルメーカーを経験。その上で人の役に立つ服への憧れからクラシコに出会い、現在に至る。
大学在籍時からパタンナーを目指し、百貨店系大手アパレルブランド、OEM、ドメスティックブランド、デザイナーズブランドなど、それぞれ特色や異なる視点を持つ多様なアパレルメーカーを経験。その上で人の役に立つ服への憧れからクラシコに出会い、現在に至る。

クラシコ株式会社
生産管理 中山 正善
(なかやま まさよし)
中国語を活かせる商社マンを目指し上海の大学を卒業。最初は繊維ではなく生花業界の商社に勤務。その後、繊維業界の商社や工場を経験し、物品のハンドリングや輸出入のキャリアを積んで、現在クラシコにて海外工場のマネージを中心に生産管理を受け持つ。クラシコ製品の生産を受け持つ中国やベトナムの工場と日本との間をつないでいる。
中国語を活かせる商社マンを目指し上海の大学を卒業。最初は繊維ではなく生花業界の商社に勤務。その後、繊維業界の商社や工場を経験し、物品のハンドリングや輸出入のキャリアを積んで、現在クラシコにて海外工場のマネージを中心に生産管理を受け持つ。クラシコ製品の生産を受け持つ中国やベトナムの工場と日本との間をつないでいる。
INTERVIEW
クラシコが行う医療向けの白衣の製造・販売は、多種多様なスタッフと外部の協力によって支えられていますが、ここでは、商品の品質担保という側面にフォーカスしました。白衣やユニフォームの見た目や機能性、そして着心地において重要な部分を担うパタンナーの生田と、パターンを元に生産する現場である工場の管理を担当する中山に、それぞれのこだわりを聞きました。
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見た目も機能性も両方叶えるのが、クラシコのこだわり-それぞれの業務での視点から、クラシコのこだわりをお教えください生田:クラシコの立ち上げのときの目標は、今がんばっている医療従事者に向けて、気持ちが良く、気分を上げて仕事ができるユニフォームを作りたいというものです。
いままでいろいろなブランドのパタンナーとして仕事をしてきましたが、私がクラシコに入社前に手がけてきた、今までのコートやジャケットといったアパレルの服に比べて、クラシコの服は着心地が違いました。まるで服を着ていないような心地良さが特徴で、この部分はすごく感じ入りました。クラシコに入って、私も着心地の部分はすごく勉強になりました。
ですから、かっこ良く見えながら、普段の生活や仕事しているときに着心地が悪い、作業がしづらいといったことがないようにはすごく考えています。ひと昔前はタイトなぴちっとしたファッションの服が流行っていました。そうすると、腕が上げづらいとか、窮屈だったりしたのですが、でもこの方がかっこいいじゃないと思ってみんな着ていたのですね。今は、見た目のかっこよさも大切ですけど、機能性とか着心地というところにより気をつけるようになりました。 -
中山:クラシコのものづくりへのこだわりという部分では、やはりすごいと思います。私は、クラシコに入社する以前は、商社にいました。納品したら、そこから先は別……という感じの「物を納品してナンボ」な世界にいたのです。でもクラシコでは、工場から納品された商品を販売し、アフターケアまでするわけで、最後までモノにこだわる姿勢が、たいへん強いと感じますね。
デザイナーやパタンナーなど、制作スタッフは品質にいろいろなこだわりを持っています。お客様とやりとりする営業担当の場合は、価格設定や納期に対する考えを持っています。私の仕事は、そんないろいろなスタッフのこだわりを受け、品質や納期を守るために生産現場である工場を探して交渉することです。厳しいスケジュールの中、海外の工場での検品、日本に届いてからの検品をしっかり行い、納品に結びつけます。クラシコのなかでは、品質や納期に対するこだわりを実現するために、日々調整をする役割ですね。 -
クラシコ製品の品質を担保するための数々の業務-品質の担保という面でどのような業務を担っていますか?生田:クラシコの場合、商品をご購入いただいたお客様の声が、直接現場に届く仕組みがあります。そこで、いろいろなお声をいただきます。中には、縫製が良くないものが混じってしまってお叱りのご意見をもらうこともあります。そんなときは、今後そのような不具合が起きないようにと、検品を強化します。検品工程は、工場でサンプルとして縫ったものを、何回か抜き取りでチェックします。私自身もチェックするのですが、何百着・何千着も生産しますので、全てを自分で検品はできません。ですから、工場で検品してもらうか、第三者に検品を依頼することになります。
単純に第三者に依頼をしてしまうと、私の基準では駄目というものも、検品する人によっては問題ないと判断される場合があります。すると、お客様の品質に対する不満の声につながる恐れがあります。検品における個人差を無くすために、誰が見ても一定の品質をチェックできる検品ポイントの指示書を作成し、徹底してもらっています。
また生地の変化で、品質にばらつきが出てしまうことがあります。例えば、生地を新しいものに改善したときは生地が異なったことで着用時の着心地、サイズ感が変わってしまう場合があるのです。その場合は、パターンを生地に合わせて修正したり、仕様を変更したりして対応します。基本的に品質についてのはパタンナーの仕事になります。 -
中山:私の場合、品質担保に関しては基本的にスケジュールの管理がメインです。服の品質という面での責任者はパタンナーです。服自体の品質はパタンナーで終わっているという判断なので、次に担保すべき品質は生産の面とスケジュールです。そこで重要になるのが工場の選択です。工場の選択では、その工場が持つ設備をしっかりとチェックします。ほかにも、ミシン場を1日何回掃除するかといった運用面、さらには現場の照明の明るさなどもチェックします。
照明が明る過ぎでもだめですが暗すぎてもだめ、手元がちゃんと見える明るさが大切で、そうじゃないといろいろな作業が綺麗に行えません。工場の作業者さんの高齢化も問題になってきているので、手元はそれなりに明るくしておかなければならないのです。これらのチェックは、実際に現地に行って実施します。最近はコロナ禍で、現地に行けないという課題もありますが、前職で得た知見があります。私の工場に対するチェックのレベルは、アパレル業界なら大手企業と同等です。 -
使いやすさや品質に加え、価格や納期でも貢献-日々の業務において、個人的にこだわっているところはありますか?生田:日々お客様から声が届きますから、それらの声を取りいれて商品に生かしています。最近ご好評いただいたものは「ジェラート ピケ&クラシコ」のドクターコートです。お医者さんもナースの方々もポケットをいくつも使うそうで、ポケットを内側にも2つ付けて合計で4つにし、携帯を入れても取り出しやすく下を向いても落ちにくい深さを考えました。お客様からも「使いやすかったです」という声をいただき、こういった細かい調整の結果が、お客様にちゃんと届いて反響として得られるのはありがたいと思います。
中山:価格が高くて良い品をお客様に届けるのは当たり前の話だと思うのです。しかしお客様に買ってもらいやすい製品を、有名な牛丼チェーンのフレーズじゃないですが「うまい」「やすい」「はやい」で届けたいと思っています。品質とコストにはすごく気を使いたいので、工場選択でもこの3点を留意して行っています。例えば、ポケットを1つ追加したら生産現場では原価がだいたい1USドルぐらい上がるわけです、そのあたりの計算もしながら、工賃を算出して工場側と交渉を行い、すり合わせしていきます。 -
-今後の展望や目標はありますでしょうか?生田:クラシコは、今ちょうど成長しているところで、新しい市場に向け、どんどん新しいものづくりにチャレンジしています。私もナースウェアの経験がないなかでのチャレンジでした。そうなると勉強しながら進めていくという方法を取らざるを得ないのですが、これらもできるだけ良いものをお客様にご迷惑をかけないように作れるようになりたいですね。新しいものに挑戦しながらも、きちんとその品質は保っていけるようにしたいです。
中山:品質と工賃との落とし所をひたすら探し、贅肉部分をいかにそぎ落とせるかというところを日々考えています。お客様がお求めしやすい価格で、なおかつクラシコもいろいろな挑戦ができる……といった、お互いにwin-winの関係になっていくことを目指していきたいです。
生田:いろいろたいへんなことはあるのですが、お客様である医療従事者の方々に、ご満足いただきたいという気持ちが、私たちの一番のモチベーションになっていると思います。
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